「違い」を「分断」ではなく、「共創」に繋げるために

こんにちは。
Being and Relationの池田です。
2026年がスタートしました。
新型コロナウイルスのパンデミックから始まった2020年代も後半戦。
ここまでの5年間を振り返っても、リモートワークの浸透、AIの大幅な進化、不確実性が日々増す世界情勢など、私たちを取り巻く環境には沢山の変化がありました。
そんな中で、私は2022年に弊社Being and Relationを立ち上げ、お陰様で本年5月に創業から丸4年を迎えます。
「多様な人々がそれぞれのよさを活かし合い、ポジティブな変化が溢れ続ける組織づくりに伴走したい」
「その鍵は、『あり方』と『関係性』にある」
そんな想いと決意を胸に弊社を立ち上げて以来、様々な企業様、とりわけリーダー層の方々との対話や学びの場をご一緒させていただきました。
その中で私自身が改めて確信するようになったことの1つが、多くのリーダーの方々は統制を強めたいのではなく、「一人ひとりのメンバーの可能性を引き出し、チームとして力を発揮できる組織をつくりたい」と心から願っていらっしゃるということです。
一方で、環境変化のスピードは加速し、組織には多様な価値観や背景を持つ人々が集まるようになりました。
その結果、「正解」がない中で孤独や葛藤を抱えながらチームづくりに向き合っているリーダーの方々が確実に増えています。
また、多くの日本企業でいわゆる「人的資本経営」が思うように実現していないとも感じています。
そのような状況の中で、弊社の存在意義や価値を問い続けながらクライアントの皆様に伴走してまいりました。
そして今回は、以下について私なりの見解と言葉で綴ってみました。
- 現在多くの組織で起こっている問題
- 上記に対する解決のカギと、弊社の提供価値
日々チームづくりや組織づくりに真摯に向き合っていらっしゃる皆様と、気づきや想いを共有するきっかけになれば嬉しいです。
組織やチームの大前提にあること
私たちの生きている世界は、「多様性」と「多義性」を包括しています。複雑で、かつ豊かな「違い」を標準搭載しています。組織単位において(1家庭ですら)も、もちろん然りです。
※多様性:年代や性別、社会的地位や役割、生まれ育った文化、価値観や信念、生き方や働き方、知識スキル、コミュニケーションの取り方、性格的な強みなどの違い。
※多義性:ある出来事や状態に対して、多様な捉え方が存在すること。
「成功の方程式」からの転換
これまではビジネスにおいて、「成功の方程式」がありました。効率化や大量生産・販売などです。そのため、「みんなが同じようにできること」に価値を置き、「違い」に焦点があたることは殆どなかったのではないでしょうか。
一方で昨今、変化が激しく答えのない複雑な環境や、世の中の価値観の変化等によって、私たちは「違いを活かし合うこと」の必然性を体感しています。
経済的な強さや規模の大きさ以上に、私たち一人ひとりが自分らしく活き活きと力を発揮すること、そして多様な力を活かし合うことで成果を最大化させることが、組織の持続的成長の鍵として認識されるようになってきました。これが、いわゆる人的資本経営の考え方です。
今、多くの組織で起きていること
しかし、多くの組織の現場では「違いを活かし合う」術を知りません。(そもそも、画一的な教育システムの中で殆ど教わってきていません。)
そのため、現在多くの組織で起こっていることが、「分断」です。
組織の縦割りが行き過ぎることによる部門間の分断。リモートワークの浸透によるコミュニケーション不足。そしてその根底には、「心理的な壁」もあります。
世代の違い、役割の違い、働き方の違い、価値観の違い、意見の違い……。そんな多くの違いの中で、「どうせ話してもムダ」「何を考えているかわからない」といった諦めが蔓延しているように思います。
そうすると、人々の「無力感(どうせ無理)」もしくは「他責感(そっちが悪い)」が大きくなっていきます。従業員エンゲージメントは低下し、人によっては孤立していきます。
その状況を放置していると、人々の疲弊感は増し、燃え尽き症候群やメンタルダウンに繋がっていきます。
これらの結果として、その組織は変化に対する意思決定の遅れ、イノベーションの停滞、人材の離職、そして採用難も相まって人材不足のスパイラルに陥り、生産性と利益が下がり、成長が停滞し、緩やかな衰退の道を歩むことになってしまいます。
より悪いことに、その中で思考停止になり、「答え」や「正しいやり方」を求めて対処療法的な施策を打っている組織も多いように感じます。
必要なのは「違いを活かし合う関係性」
上記のような、現在多くの組織で起こっていることの要因として、「違いを活かし合う術を知らない」ことを先述しました。
では、私たち一人ひとりが自分らしく活き活きと力を発揮し、違いを活かし合うことで成果を最大化するために必要なことは何でしょうか。
その鍵は、「対話力」にあると私たちは考えています。
対話は、お互いの違いから新しい可能性や機会を見出し、新たな挑戦やより高い目標の実現に向かって歩みを進めるための、パワフルな手段だからです。
対話の2つの側面
「対話」には、2つの側面があります。
一つ目は、「他者との対話」です。
相互理解を深め、共に目指す目標のためにどのように協働していくかについて、自分たちでこたえを出していくプロセスです。
心理的安全を土台に、率直にオープンに自己開示し合い、「違いの背景になにがあるのか?」についても理解を深め合います。否定し合うのではなく、お互いの意見や背景を受け止め合いながら、自分たちならではの可能性を見出していきます。
「他者との対話」の手段のひとつに、「1on1」があります。
効果的に機能すれば、上司・部下間の相互理解と関係性構築にとても有効です。一方で、チーム力の最大化のためには1on1だけでは不十分です。メンバー同士の相互理解と協働の促進に繋げるためには、チームでの「面の対話」が必要です。
二つ目は、「自己との対話」です。
他者との関係性における先入観や固定観念、過度な拘りとなっている自分のものの見方や考え方に気づき、必要に応じてそれを見直し、より広く柔軟な視点を獲得するプロセスを指します。
自己との対話は、実は自分1人では難しいものです。先述した他者との対話を通じて、自分自身を省みることになります。他者を通して得られる自分への気づきは、自問自答するよりもパワフルで、時には痛みを伴いますが、私たちの成長には欠かせないものです。
また、自分にはどういう歴史があり、今後何を目指したいのか。自分が活かせる強みには何があって、どんな時に活き活きするのか。どんな時にネガティブな感情になるのか。自分が目指す姿と現状のギャップは何か。
そうした深い自己理解をした上で、まずは自分自身を受容することも、自己との対話の重要な側面になります。
自分自身と向き合うプロセスがあるからこそ、私たちは目標実現のために次の成長のステップを踏み出せますし、多様な他者と生産的に協働する土台ができるのです。
「共創」へ向かう組織のあり方
これら2側面の対話を通して、私たちは豊かな関係性の中でお互いのよさを活かし合い(Relation)、自分の可能性を最大限に発揮した状態(Being)を実現できます。「違い」を「分断」ではなく、新たな可能性の「共創」へ繋げていくことができます。
そしてこれからの組織は、そのような関係性を育てる「器」でなくてはなりません。
人を活かすとはどういうことか。多様性をどのように捉えるのか。
そうしたことに対する哲学や信念(組織のBeing)を明確にし、社内外に共有することが、人的資本経営の第一歩ではないでしょうか。
ここまでの考え方をもとに、私たちBeing and Relationは今後も「対話」を起点に、組織が持続的に成長する土台となる「あり方」と「関係性」、そしてそれらを支える「リーダーシップ」の実現を支援していきたいと考えています。そして、そのための努力を絶えず続けてまいります。