「1on1頑張ります!」のワナ

過剰な「1on1信仰」のワナ
私は毎月15〜20名ほどの経営層・マネジャー層の方々と、リーダーシップや組織・チームづくりをテーマにしたコーチングをご一緒しています。
その中で、多くのリーダーの方が口をそろえておっしゃるのが、「1on1をもっと頑張らねば」「1on1の質を上げたい」という言葉です。
私自身も一人のコーチとして、また現場で1on1を実践し、その考え方や進め方をお伝えしてきた立場でもあります。
忙しい中で時間を取り、試行錯誤しながら1on1に向き合っているリーダーの皆さんの姿勢には、いつも敬意を感じています。
だからこそ今日は、あえて過剰な「1on1信仰」にはワナがあるということをお伝えします。1on1は、チームの問題を解決する万能薬ではありません。
1on1は「個人の成長」には、とても有効
職場における1on1とは、主に上司と部下が定期的に1対1で対話を行う場です。
1on1の主なねらいは、以下のとおりです。
- 上司・メンバー間の信頼関係づくり
- 個々の業務支援
- キャリア開発
- 主体性や責任意識の醸成
こうした目的において、質の高い1on1は本当に大きな力を発揮します。
ですが、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。チームとしては、本当にそれだけで十分なのでしょうか?
「1on1を頑張りすぎる」と、起きがちなこと
1on1に頼りすぎてしまうと、上司とメンバー一人ひとりの相互理解は深まります。
一方で、チームは「上司と各メンバーとの関係性」で成り立つ構造になりがちです。
すると、下記のような状態が起きやすくなります。
- メンバー同士の相互理解が進まない
- 協働が生まれにくい
- 縦割りが強くなる
- 結果として、上司への依存が高まる
例えば、上司を含めた7人のチームを考えてみてください。
上司と各メンバーの関係性は6通りです。でも、チームに本来存在する関係性の数は21通りもあります。
私たちが目指したい「チーム力」とは、個々の力の足し算ではなく、この21通りの相互作用を最大化する「掛け算」ではないでしょうか。
1on1では扱いきれないテーマがある
チームには、1on1では解決できないテーマがあります。
例えば、下記の5つはすべて、チーム全体での「対話」が必要なテーマです。
①チームとしてのビジョンや目標の共有
②取り組むべき課題の優先順位
③役割分担や業務量の調整
④成功・失敗体験や知恵の共有
⑤メンバー間の相互理解や関係性の修復
私は、①〜⑤のすべてが大切だと思っています。
まず必要なのは「私たちは、どんな集まりなのか?」を知ること
ただ、土台にあるのは、「私たちって、どんな人たちの集まりなの?」「それぞれ、どんなふうに考え、感じているの?」という相互理解だと感じています。
チームは、多様性と多義性を前提とした集団です。同じ出来事を見ても、解釈は人それぞれ違います。
半分水が入ったコップを見て「まだこんなにある」と感じる人もいれば、「もうこれしかない」と感じる人もいる。
新しい取り組みに対して「いいね!」と前向きになる人もいれば、「正直、ちょっと不安」と感じる人もいる。
「チームワークが大事」という価値観を共有していても、具体的な行動レベルでの解釈は、驚くほど違うものです。
「全員で話す場」を持つチームの強さ
少し話は変わりますが、先日人気YouTuberグループ「コムドット」のやまとさんのインタビュー動画を観ました。
彼らは「気持ち会議」と呼ばれる対話の場を、3ヶ月に1回、3〜4時間かけて行うそうです。
さらに、誰かが問題を感じたら、その都度「全員で」話し合う場を設ける。だからこそ、5人が同じ方向を向き続けられている。
その話を聞いて、「まさに、こういう場って大事!!」と大きく頷いたのでした。
スキルよりも大切なこと
チームでの対話というと、「ファシリテーションが上手くできるか不安で…」という声もよく聞きます。
もちろんスキルは大切です。
でも、それ以上に土台になるのは、一人ひとりへの関心だと思っています。
まずは、「お互いを知り合う」こと。そんなライトなテーマからで十分だと思います。
1on1は大切。でも、それだけではチーム力は最大化されない。
チームの「面の対話」があってこそ、関係性の網の目を太く、強くすることができる。そして、チームの相互作用、協働が加速します。
皆さんのチームでは、最近業務ミーティング以外のトピックで「全員で話す場」を持てているでしょうか?
この問いが、チームの次の一歩につながれば嬉しいです。
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