チームコーチング③チームパフォーマンスを改善するポイント4つ【ICFコーチ監修】

「メンバー同士の関係性がうまくいっていない」「リーダーの声かけが空回りしている」──そんな悩みを抱えるチームにこそ、チームコーチングの視点が有効です。
今回は、チームの成長を促すために欠かせない3つの要素に焦点を当て、B&Rが提唱する「トライアングル・モデル」をもとにしたチームコーチングの進め方を紹介します。
自律的に成長し、継続的に成果を出すチームのつくり方を考えてみませんか?
チームの効果性を支える3つの視点
チームが効果的であるためには、一人ひとりが自分の位置と役割を理解し、どのように自分を活用することがチームに貢献することになるかを理解しておくことが求められます。これはメンバー個々のあり方の問題です。
個々人が優秀であったとしても、チームの目標を達成するためにメンバーは「協働して働くこと」が求められます。個人が自分の思惑だけで仕事をしていては十分なチーム・ワークが発揮されず、チームは機能不全に陥ります。これはメンバー間の関係性の問題です。
最後に、メンバー個々のあり方と関係性に影響を与えるのがリーダーのリーダーシップです。リーダーは、メンバー個々に対してその人を認め、重要感を満たし、かつチームの課題達成活動が円滑に進むように協働性を高める働きかけをしていくことが求められます。
チームのパフォーマンスを高める「トライアングル・モデル」とは
B&Rは、チームのパフォーマンスを高める3つの要素を、「トライアングル・モデル」と呼んでいます。
【トライアングル・モデル】

チームコーチングでは、3つの要素とその相互関係がどのような状態になっているのかを把握し、コーチング・プランを立案します。そして、チームリーダーおよび導入者・支援スタッフと確認の上、コーチングをスタートします。
省察的対話が導く、チームの成長プロセス
チームコーチングでは、チームリーダーおよびチームメンバーが当事者として主体的にチームの問題解決に取り組むように支援していきます。必要となるのが「リーダーを含むチームメンバーの省察的な対話」です。省察的対話とは単に会話をするということではなく、対話を通して自己認識の枠組みを広げ、関係性を新たにしていくことです。
自律自走のチームを目指すには、チームはコーチの指示通りに物事を進めるのではなく、対話を通して自分たちの現状を受け入れ、その現状に対してどのように対処していくのかを自分たち自身で意思決定する必要があります。この過程は容易なものではありませんが、それを乗り越えていく先にチームの持続的成長が生まれます。
チームがより良くなっていくのはメンバー自身に責任があるし、また成長していく能力を私たちは持っているという自信をメンバーが獲得することがとても大切です。
【チームの成長プロセス】

チームパフォーマンスを改善するためのポイント4つ
チームコーチはこの成長プロセスにかかわり、チームのパフォーマンス改善を支援します。
チームのパフォーマンス改善には、4つの主要目的があります。
- チームの目的・目標を明確に設定する。
- チームメンバーの役割と責任に従って担うべき課題・作業を明確にする。
- 目標達成の作業を分析し、その遂行方法を明確にする。
- チームのコミュニケーション・プロセスを検討し、メンバー間の関係を明確にする。
チームづくりにおける4つの目的は相互に関係しています。例えば、役割と責任を明確化することが、作業手続きやコミュニケーション・プロセス上の問題を解消することにつながり、葛藤改善に使う時間の削減、働き方改善につながることも多いものです。
チームの「変化する力」を引き出したい方へ
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コラムの書き手:株式会社Being & Relationシニアパートナー波多江嘉之