チームコーチング④チームレジリエンスとチームビルディングの違い【ICFコーチ監修】

「最近、メンバーの元気がない」「変化に対して、動きが鈍くなってきた」そんなチームの様子に、心あたりはありませんか?
急な環境変化や困難に直面したとき、ただ我慢して耐えるだけではチームは前に進めません。今、求められているのは状況を受けとめながらも、再び立ち上がり、未来をつくっていけるチームの力。これが「チームレジリエンス」です。
今回は、チームにレジリエンスが必要とされる背景や、チームビルディングとの違いをご紹介します。チームのレジリエンスを高める支援のあり方を、チームコーチングの視点から紐解いていきましょう。
レジリエンスとは
レジリエンスという言葉は、元々は物理学の用語です。ストレスと対比して使われる言葉であり、ストレスは「外力による歪み」を意味し、レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われます。
精神医学や心理学の世界では、1980年代に、逆境やストレスに直面した人々がどのように回復し適応するかの研究が始まりましたが、同じ境遇にいても健全に人生を送っている人もいるがどうしてだろうかという研究から、その理由を説明する「包括的な言葉」としてレジリエンスという言葉が使われるようになりました。
レジリエンスの意味3つ
「レジリエンストレーニング」の著者である宇野カオリ氏(日本ポジティブ心理学協会代表理事)によると、レジリエンスの意味は、概ね次の3つに分類できると言います。

チームにも必要なレジリエンスとは
レジリエンスは、もともとは個人に備わる能力として研究されてきましたが、チームにもレジリエンスが必要です。それは、組織のほとんどの仕事はチームでなされるからです。
個業化が進む中でも、チームは個人と組織をつなぐ重要な単位であり、人々のモチベーションやコミットメントに影響を与え、組織としての学習能力や競争力を生み出す単位になります。チームも逆境に立ち向かったり、そこから回復したりする力が必要なのです。
では、チームレジリエンスとは何か、私たちは、チームレジリエンスとは「複雑かつ変化する環境下でも、それを乗り越え未来をつくるチームの能力」と定義しています。それは、タフネスだけではなく、変化に適応し成長していく能力です。

チームビルディングとチームレジリエンスの違い
よく質問されることに、チームレジリエンスはチームビルディングとどのように違うのかというものがあります。
チームビルディングは、チームを形成し機能させる働きかけといえます。目標を合意し、達成方法を決め、役割を配分するというのは、良いチーム・ワークづくりに欠かせない働きかけといえます。
【チームづくりで明確にすべき4つの焦点】

一方で、チームレジリエンスは、チームが逆境に直面しても機能不全に陥らず前を向いて進んでいく能力といえます。それは、チームをRe-Buildingしていく能力であり、逆境を乗り越えていく過程で学んでいく力と言えます。

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コラムの書き手:株式会社Being & Relationシニアパートナー波多江嘉之