チームコーチング①目的と目指す姿を解説【ICFコーチ監修】

1on1ミーティングは多くの組織に広がりを見せていますが、個別の対話だけでは対応しきれない課題も存在します。
今回は、チーム全体の関係性や協働に働きかける「チームコーチング」の目的や目指す姿を整理しながら、自律的に成長し続けるチームづくりの視点を紹介します。
1on1からチーム支援へーチームコーチングの必要性
日本でも、多くの組織に1on1ミーティングが取り入れられています。弊社Being & Relationでも、企業単位に限らず個人のお客様からも、より良い1on1ミーティングを実践するためのコーチング研修の依頼が多くあります。
しかし、1on1ミーティングだけでは解決できない悩み事もいろいろあります。
チーム全体の問題を扱えない:チーム内のコミュニケーションの欠如、権限の不明確さなどは、1on1ミーティングだけでは解決できない。
チーム・パフォーマンスの問題:チーム・パフォーマンスは、個人のスキルや知識向上だけでは解決できないことがある。
人間関係の問題:特定のチームメンバー間の対立や不和は、1on1ミーティングでは解決できない。チーム全体の対話や調整が必要となる。
個人の業務量の過剰:業務量の問題は、チームの目標・やるべき課題に対するメンバーの役割や協力関係などを再確認する必要があり、1on1での話し合いだけでは業務の優先順位や負荷の調整ができない。

これらの悩み事は、チーム全体を対象とした問題解決アプローチが求められます。
チームコーチングは、チームを対象としてチームが抱える問題や課題を解決し、加えて自律自走するチームへの成長を支援していこうとするものです。Being & Relationは、チームコーチングを以下のように定義しています。

チームコーチングの目的
チームメンバーが、チームの持つ資源(自分たちの知識・スキル、チームの外の他者や他のチームとの関係など)を活用してよりよく仕事を成し遂げられ、チームとして持続的に成長する能力を身に着けることを支援します。
チームコーチングの目指す姿
目指すのは「自走する High Performance Team 」をつくることです。
それは、以下の内容を含みます。
- 自律的にチームの問題解決ができるようになること
- レジリエンス(適応力・回復力)を高め困難な課題にも挑戦できるようになること
- 学習し自己成長していくことができるようになること
【自走するHigh Performance Team】

共創関係が組織全体の効果性を高める
チームとは「共有された使命・目標があり、その達成に対して協力し合う人々の集まり」
です。チームの成果に影響を与えるのは、チームの仕事特性にあったメンバーの能力やモチベーションだけでなく、お互いを活かす協働が求められます。チームが効果的に機能するには「チームメンバー間の共創関係をつくること」はとても重要なのです。

組織は、多くのワーク・チームによって構成されています。トップマネジメント・チームから各種機能部門別のチーム、職場チーム、プロジェクトチームなどです。チームメンバーがどの程度うまく協働できるかは、その組織の全体的な効果性に影響を与えます。
組織の共創力を育てるチームコーチング
近年の組織活動は、多種多様な専門性を持った人たちがチームとなって、単に個々人の専門性を総合したものより大きな生産性を実現させることが競争優位の重要なカギになっています。このようなことから、チームの効果性を高めるチームコーチングの必要性はますます高まっています。
チームの「変化する力」を引き出したい方へ
チームや組織が継続的に成長していくためには、スキルの習得だけでなく、「リーダーのあり方」や「関係性」へのまなざしが欠かせません。
ポジティブチェンジコーチングは、リーダー・メンバー・組織に並走しながら、”自分たちで変化を起こし続ける力”を引き出す、法人向けの伴走型コーチングプログラムです。
「多様化する働き方に、マネジメントが追いつかない」
「業績は悪くないのに、現場が疲れている」
「変えたいけれど、どこから手をつけていいかわからない」
──そんな方へ、新しい一歩のヒントをお届けします。
御社のチームが”変化を力に変える組織”へと進化するきっかけをつくりませんか?
次の記事はこちら
▶チームコーチング②チーム成果を左右する3つの要素【ICFコーチ監修】
コラムの書き手:株式会社Being & Relationシニアパートナー波多江嘉之