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【ビジネストークLIVE動画 #5】「人的資本経営」を考える

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池田:始まりました、こんばんは!今日で5回目ですね。宜しくお願いいたします。

今日のテーマは「人的資本経営」。ちょっと固そうに聞こえるテーマですけど、企業の人材に関する最近のHot Topicかなと思いますよね。人的資本経営、この内容を簡単に教えていただけますか。

神田:結構言葉では難しそうに見えるんだけど。私の解釈では、人を「コスト」と捉えるのではなくて、投資することによって価値が高まっていく、所謂「資本」と捉える考え方がまずベースにあると思っていて。
経営戦略の中で「人」というものを中核に位置づけて、それを活用することで中長期的な企業価値の最大化を目指していく。これが人的資本経営と理解しています。いかがですか。

池田:ありがとうございます。人材って「コスト」じゃなくて「資本」だよ、積極的に投資する対象ですよって言う事ですよね。それが企業の競争力とか価値になってきている。投資家が企業を評価する視点も、利益とか目に見える資産だけじゃなく、人(の価値)みたいに目に見えないものもやっぱり資産だし、競争力、価値だよね、と。

でも神ちゃん、なぜ今になって、人的資本経営って言われているのですか。

神田:そうですよね。去年の頭辺りからどんどん、色んなセミナーなども出てきましたね。
もともとどこから発せられたかと言えば、日本政府、岸田政権ですよね。「失われた30年」と言われて、日本のGDPというのは本当に低迷してしまって。で、欧米各国から大きく差を広げられているということで、その反省からきている。
その大きな原因の1つが、先程言ったように人をコストとしか考えずに、人材に対する投資を怠ってきた結果として、人が生み出す、所謂イノベーションとか、新規性みたいなものが発揮できなくなって。その結果として、世界の競争市場で日本が沈没していた。「これはいけない!」ということで、これから失われた30年を取り戻そうという日本政府の強い決意の表れなのかなって私は見てるんですけど。

池ちゃんは人材育成に関わってきましたけど、その辺をどう捉えてますか?

池田:そうですね、企業さんに対して組織開発や研修の提案、採用のご支援などをずっとやってきたんですけど、そうした「人材に対してお金を使う」イコール、投資ではなくてコストと捉えられてきましたよね、ずっと。
ただ最近の空気感として(企業側から)感じるのは、やはり「投資」として考えようよ、という風潮。
例えば今まで人事と言ったら労務管理などの「管理」的な要素が強かったんですけど、お付き合いのある企業さんでも、「人材戦略室」みたいな名前で新しい部門が立ち上がったり、そんな変化も感じますし。教育の内容も、「なんとなく毎年予算があるから定形の研修やってます」ではやっぱりもうダメっていう風になってきていて。画一的な内容で、例えば管理職研修を毎年同じ内容で長年やるとかではなくて。やはり「人材の可能性をいかに最大化させるか」っていうところがポイントになってきている。

私はコーチなので手前味噌ですけど(笑)、コーチングを取り入れて自律人材を育てていこうとか、人材をデータ化して戦略的に活用していこうとか、あとはやはり女性活躍のこととか。そういうことを含めて、企業が色々と社会的な立ち位置を示そうとし始めているのかなっていう風潮は感じています。

神田:僕が今まで中小企業の社長をやって感じることは、「設備投資予算」って大体毎年決まっている。ところが、「人材投資予算」ってあるようでなくて、たまたま臨時的に出てきたりする。予算化されていないんですよね。
これって中小企業全般に言えることですが、設備投資と同じようにあらかじめ「売上の何パーセントを人に投資する」っていうところからスタートしないと。分かってはいるけれども、中々(具体的に投資を)する余裕がなくてねっていう風に終わって、それが結果的に企業の成長を阻むっていう部分もあるのかなって思っているんですよね。

池田:本当ですね。臨時予算的に、「ちょっと予算ができたから研修やろうか」というところも多かったですね。

神田:その辺りも、直していかないとダメだってことですよね。

池田:そうですね。中小企業も含めて、ということなのですね。
それでは最後に、企業としては具体的にどのように人的資本経営を進めていけば良いのでしょうか。具体的なガイドラインは、今はまだないのだろうと思いますけれども。

神田:いずれにしても人的資本経営っていう言葉だけではなくて、やはり経営者がどれだけ人に対する重要性っていうのを意識するかどうかってポイントだと思うんだよね。それがあれば従業員の待遇だとか、働きやすさやモチベーションとか、そこに意識がいった時にどう投資するかっていう発想になるので。
そもそも、経営トップが人に対する意識が薄いとなると、人が生み出す創造性とか新規性というものは失われていく。そこの(トップの)意識をどう変革させるか、というのが、これから企業だけではなく日本の大きなポイントかなと。言葉だけに踊らされていると、結局今までと変わらないんじゃないかなって私はすごく問題意識を持っていますね。

池田:手段が目的になってしまってはいけないし、大事なのはトップの意識変革から。そういうことなのですね。

神田:企業の競争力っていうのは、本当に「人材育成の競争である」っていうね。ここの確信を、どこまで経営者が実感しているのかが重要なんじゃないかなと思いますね。

池田:「頭では理解しているけど..」という状態から、「人はコストではなくて資本であり投資するのだという実感や体感」を得て、経営者から変わっていくか。そこが重要ですね。
中々難しい言葉ではありますが、色々な視点から「人的資本経営」を考えてみるいい機会になりました。

神田・池田:ありがとうございました。