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【ビジネストークLIVE動画】「傾聴」を考える #3

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池田:今日のテーマは傾聴。「アクティブリスニング」の傾聴ですね。
まさにコーチらしいテーマになりましたけど、傾聴とはそもそも何かって問われたらどんな風に答えられますか?

神田:読んで字のごとくですけど、聞く耳を傾ける。相手の話を積極的かつ注意深く聴くというのは、耳で聴くだけではなくて目と、最後は心でしっかり受け止めていく。
そんな深い意味があるように私は思うんですけど、どう考えますか。

池田:私もいつも、同じような説明をします。
耳で言葉を聴いて、目で言葉以外の相手の様子を聴いて、最後は心で相手の気持ちを聴く。傾聴のベースとなる姿勢として大事なのが、まず相手の存在を承認しようとするという心持ち。否定も評価もしない、ニュートラルでいるっていうあり方も、前提として大事かなって思います。

神田:傾聴って良く言いますけど、何で大事なんだろうね。

池田:皆経験あると思うんですけど、人って自分のことを理解してもらってるなって思うと、その相手に信頼感を抱くと思うんですよね。
話を聴いてもらえるっていう関わりって、どうやら脳の神経回路を活性化させてポジティブな状態にするらしいんですよ。

神田:痴呆症のご老人に昔の話を聴くと良いとか言いますよね、そういうことかな。

池田:多分、聴いてもらうっていうことが多分の脳を活性化させるいい刺激になるんでしょうね。
神ちゃんは、傾聴の重要性ってどんな風に認識されていますか。

神田:重要なんだけれども、そのように行動ができないっていうのがちょっと反省点で。やっぱりどうしても自分が喋りたいなと思う事があると、相手が喋り終わっていないうちに気持ちが高ぶっちゃって言ってしまう。後で後悔するってことが多いんですよね。人間って、喋りたい動物なんですよ。それが失敗例ですね。
でもコミュニケーションにおいてやっぱり傾聴ってすごく大事で、信頼を構築するとかそういった意味もあるし、コーチングでも傾聴から入る。コミュニケーションにおいての傾聴の重要な役割って、一体何なんだろうね。

池田:そうですね。信頼関係を築くベースになるっていうのは先ほどからお話している通りで。
あとは聴くっていうのをやると、相手が話しながら自分の考えを整理できる。
傾聴スキルの一つに「沈黙」っていうのがありますよね。聴く側があえて沈黙する。そうすると、相手が自分で考える時間を持てるようになるので、「自分で考えて話して、答えを出していく」力を育てる、ということも実は入ってくるのかなと。

神田:また色々と反省なんだけど、相手が考えてる時に沈黙するとね、「なんか喋んなきゃ」って喋っちゃうんだよね。沈黙はなんとなく嫌だな、なんか喋らなきゃって。でも、相手が考えている時に喋られると、考えが遮られるってことなんだよね。やっぱり大事だね、沈黙も。

池田:大事ですよね。私もすごく苦手でした。管理職だった時に部下の話にすごく被せて、自分の主張をずっとバーって言ってたんですけど..それじゃいけなくて、時には沈黙するってスキルの一つなんですよね。

神田:人間って、口が一つ、耳が二つじゃない。喋る分の倍、聴きなさいっていうね。一本口が一で耳が二って事は、33対66で、喋るのが33で聴くのが66じゃないですか。自分で意識して三割だと思ってても、実際はその1.5倍ぐらい喋っちゃってるんだよね。だから自分が大体二割ぐらい喋ったと思った時に、三割ぐらいになる。このことは常に意識した方が良いよね。

池田:自分が考えるよりも自分は喋っちゃってるよっていうことですよね。話す量をコントロールすることを意識するのが大事ってことですね。
傾聴をどうビジネスに活かしていくかについてはいかがですか。

神田:傾聴がなぜ必要かっていうと、やっぱり相手に気持ちよく喋らせるっていう事実があるんだよね。人間って自分のことを話したがる動物なので。
よく言うのはね、「オウム返し」プラス「質問」。『そうですか、あなたはこんな経験をしたんですね。でもこれってどういうことですか?』っていう質問をしてる内に、相手がすごく好きなことや得意なこと、喋りたいことに当たって、ドドーン!と相手が喋ってくることがあるんですよ。
そうした時に、例えば商談だったり取引先の関係の場合に一発で好かれるし、話を聴いてくれるイコール信頼関係が生まれる。まずは相手との信頼関係を築くのに手っ取り早いのは相手の話をしっかり聴く。聴いたことを承認する。「そうですね、あなたはこう思っているんですね。ところで、こういうのはどうなんですか」っていうことを、さらに興味を持って聴くと、相手も喜んでどんどん話してくる。そうなるとビジネスも上手くいく。
相手に気持ちよく話してもらうと、「オマエはなんかいいヤツだ」って。理屈はないんだけど。こういうことが、結構ビジネスの基本のような気がするよね。
その後、相手に与えられる価値とか商売の話をすればいいんだけど、信頼関係がないとダメだし、その信頼関係はやっぱり傾聴からきているんじゃないかな。どうですか。

池田:仰る通りだと思います。やっぱり人間関係に信頼があると、物事が円滑に進むっていうところがあるだろうなと思って。
先ほど商談の話をされていましたけど、職場の上司部下の関係性でも信頼関係って大事だし、心理的安全性のある職場づくりも、やっぱりベースに傾聴がないと中々作れない。
特に、上司が部下をまずは否定しないっていうのはすごく大事かなって思っていて。部下が傾聴されない職場って、当たり障りないことしかメンバーは言わなくなってくると思うんですよ。そうすると、チャレンジできない職場になってくるし、失敗が怖くなってもし何か重大な失敗をしても上司に情報が伝わってこない職場になっていたり。そういうところに最終的に繋がっていってしまうので。

神田:ということは、傾聴をしっかりやっている職場は心理的安全性が高まっていくっていうことですよね。

池田:そうですね。必須条件の一つにはなるのかなと思います。

神田:まとめると、ニュートラルに受け止めてちゃんと承認して、あとは言葉だけじゃないその他の色んな非言語の情報もしっかり聴いて。
あとは、気持ち、感情のところにも注意を向けていくっていうのが大事ですよね。