共創型リーダーシップ④共創型リーダーシップの開発【組織開発】前編
リーダーシップ開発は簡単ではありませんが、適切なアプローチによって実現も可能です。
私たちBeing & Relationは、「共創型リーダーシップは、リーダーが置かれている環境の中で、あり方(Being)と関係性(Relation)を通して開発される」と考えています。
共創型リーダーシップ開発の全体像

行動選択の幅を広げる4つのスキル

共創型リーダーシップ開発で重要なことは、経営者や管理者自身が「他者との関係の中で、自分のあり方を問い直す」ことです。
もちろんスキル学習も必要ですが、スキルという道具は、本当にそれが大切であると思われることで効果を発揮します。
リーダーに実感がなければ、ただの「知っているスキル」に留まります。
【リーダーシップ開発のツール:BeingマップとRelationマップ】
「望ましいリーダーシップ行動を頭では理解しているのに、実践できていない」と感じる原因は、自分の固定観念(ものの見方・考え方)が新しい行動に対する不安や懸念を引き起こすからです。
つまり、行動変容には固定観念の変容が欠かせません。
自分の固定観念を見直すプロセスを実行する方法としてBeingマップとRelationマップをつかったリーダーシップ開発があります。
BeingマップとRelationマップはスキルトレーニングのツールではありません。Beingマップは自分を内省し固定観念を探るツールであり、Relationマップは他者との関係の中で固定観念を反証するツールです。
Beingマップ:自分を内省し固定観念を探るツールRelationマップ:他者との関係の中で固定観念を反証するツール |
BeingマップとRelationマップを活用することで、リーダーの「偶然の気づき」に委ねるのではなく、計画的なリーダーシップ開発プロセスを実現します。
ここでは、最初に活用するBeingマップのフレームワークを見ていきましょう。
Beingマップのフレームワーク
Beingマップのフレームワークは以下のとおりです。

Beingマップの活用とスキルトレーニングとの違いを、簡単なケースで確認しましょう。
上司として部下指導をする際に、いつも「説教的な伝え方になる」。 これを何とか改善したいという場合、「効果的な伝え方を覚えよう」というのは、技術(スキル)学習です。行動のレパートリーを増やすということには役立ちますが、実際に行動変容につながるかと言えば心もとないところもあります。 そこで、「説教的な伝え方になる」のは何故かということを省察したところ、「上司は部下より常に優秀でなくてはならない」という思い込みを持っていることに気づきました。 この場合の改善は、「上司は部下より常に優秀でなくてはならない」という思い込みは「本当にいつでも必要なのか」を確かめる新しい体験をする必要があります。 それは、例えば「自分が不得手な課題について部下に任せてやらしてみたところ、うまくいった」というような体験です。そうすると、「上司は、チームの課題を達成させることが役割である」という新しい認識(見方や考え方)が生まれます。 そして、私(上司)はもっと楽に仕事をすることができます。 |
成人発達理論で有名な、ジャン・ピアジェやロバート・キーガンも、成人発達の鍵は「自分のものの見方や考え方」であると言います。
つまり、大人の成長にとって大切なことは、情報をたくさん持っていたり、知識が豊富であったりすることを指すわけではなく、深く自分自身を内省すると同時に、自分を取り巻く世界を深く理解する能力を指します。
リーダーシップ開発は内省する力が求められる
リーダーシップ開発は、視野の広さや、自分自身のことをよく分かって内省できる力、そんな知的能力の継続的開発が大切なのです。
次回は、他者との関係の中で固定観念を反証するRelationマップについてご案内します。
共創型リーダーシップ開発に興味がある方へ
共創型リーダーシップ開発にご興味がある方は、共創型リーダーシップ開発研修もあわせてご覧ください。
本研修は、単なるスキル研修ではなく、リーダーとしての「あり方」とメンバー間における「関係性」に焦点を当てたユニークなプログラムです。
「VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)時代においても柔軟に対応できる、ハイパフォーマンスチームを作りたい」
そうお考えの経営者の方や人事担当者の方は、ぜひ下記リンクよりご確認ください。
本研修を通じて、御社のリーダーシップを新たなステージへと進化させませんか?
コラム⑤「共創型リーダーシップの開発 後編」はこちら
https://www.being-relation.co.jp/uncategorized/co_creative_leadership_5
コラムの書き手:株式会社Being & Relationシニアパートナー波多江嘉之