【開催レポート】「チームに、もっとエネルギーを。」実践型チームづくり講座“Team Energizers(チーム・エナジャイザーズ)“第2回

026年4月4日(土)、Team Energizers(チーム・エナジャイザーズ)第2回目が鎌倉の対面会場で開催されました。
第1回はオンラインでの顔合わせでしたが、今回はいよいよリアルで集まる初めての機会です。春の鎌倉、古民家風のシェアオフィスという舞台も手伝って、場の空気はどこか特別なものになりました。

テーマは「リーダーに必要な”Use of Self”(自己活用)を体感的に学ぶ」。
知識として「知る」だけでなく、自分たちがチームとして動く中で体感的に気づきを得る、6時間の様子をレポートいたします!
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身体から始まる学び|ウォームアップとアイスブレイク
今回の講座は、まず身体を動かすワークからスタートです。
前屈や腰を回すストレッチで場をほぐした後、ボールを使ったアイスブレイクへ。相手の名前を呼びながらボールをパスし合うシンプルなアクティビティに、笑い声があちこちから生まれます。
「これ、職場でもすぐ使えそう」という声も上がり、体験の中から学びが生まれる講座らしい幕開けとなりました。
ビーイング・マップを持ち寄る|自分の「あり方」と向き合う
その後、今回の事前課題として取り組んだ「ビーイング・マップ」を、グループで共有する時間が設けられました。
ビーイング・マップとは、目指す姿・リソース・自己理解・アクションの4つで自分のあり方を整理するツールです。成人発達理論(ロバート・キーガン)を土台に、自分の思考の癖や固定観念に気づき、目指す姿に向けて必要な変化を起こすための、地図のような存在です。
他者のマップを聞きながら、「こんなふうに自分を捉えているのか」「自分にはない視点だ」という発見が場に広がっていきます。

「コンテントとプロセス」——チームを観察する目を育てる
午前の講座の核心は、コンテントとプロセスというフレームワークです。
代表の池田からは、チームが話し合っている「内容(コンテント)」だけでなく、発言や沈黙、場の空気といった「プロセス」を観察する視点が、チームづくりには不可欠であると伝えられました。
プロセスを観察する視点として紹介されたのは、次の3つです。
①参画の仕方——誰がどのくらい発言しているか、その態度はどうか
②コミュニケーション——誰が誰に関心を向け、誰の話に乗るかというパターン
③雰囲気——グループ全体に漂う空気感(緊張・自由・不安など)
チームの当事者はどうしてもコンテントに引き込まれ、プロセスを見落としがちです。だからこそ、「観察者の目」を意識的に持つことが、リーダーやコーチにとって大きな武器になります。
ケーススタディとロールプレイング|理論を「体感」へ

午前の山場は、架空の営業チームを舞台にした「須田さんのケース」を使ったロールプレイングです。
ケースの概要は、創業50年の自動車部品メーカーが舞台。
プレイヤーとして優秀だがマネジメント未経験の須田係長(33歳)が、鈴木課長の3ヶ月間の海外出張中にチームをまとめようとした結果、ベテランメンバーとの間に軋轢が生まれるという、リアルなシナリオです。参加者の多くが「よくある話」と感じる設定でした。
参加者はそれぞれ「鈴木課長」「山本課長(人事)」「須田係長」「年長メンバー」「若手メンバー」などの役割を選び、合同ミーティングを実演しました。
「観察者」役の参加者がプロセスに注目してメモをとる中、議論が展開されていきます。


振り返りでは、「全体として良いチームに見えたが、本音が出し切れていなかった」「具体的な手段の話に終始し、関係性の問題には触れられなかった」といった課題が明らかになりました。
特に印象的だったのは、講師から提示された「ラミネート理論」という観点です。鈴木課長の冒頭の謝罪が、その後の議論の方向性を固定した可能性が指摘されました。
一つの発言が場の構造を「ラミネート(固定)」する現象として解説され、参加者の間に静かな驚きが広がりました。
3次元モデル(仲間性・統制・開放性)とは|ウィル・シュッツのモデルを体感する
午後のセッションは、シニアパートナーの波多江氏が主導します。
午前の「プロセスを観る」視点から一歩踏み込み、「自分自身を深く知り、よりよい自己活用に繋げる」ための探求へと移っていきました。

共通言語として紹介されたのは、ウィル・シュッツが提唱した「自己探求の3次元モデル(氷山モデル)」です。
このモデルは、外から見える「行動」から、その根底にある「感情・欲求」、さらに深い「自己評価」という3つの階層で自己を捉えます。
まず、私たちの「対人行動」の傾向を理解することに役立つ3つの要素は下記のとおりです。
- 仲間性(Inclusion)——集団に自ら関わろうとするか、一人でいることを好むか
- 統制(Control)——他者を自分の意図通りに動かしたいか、自由にさせたいか
- 開放性(Openness)——自分の内面を他者と共有することを好むか、苦手とするか
色の三原色と同様に、対人行動も上記3つの要素で説明することができる。
私たちの行動の理解を単純化できるもので、人のパフォーマンスや生産的なチームとは何かを探求する効果的なツールとなることが紹介されました。
さらに上記3つは、より深い「欲求」の層(参加欲求・統制欲求・親密欲求)、そして最も根底にある「自己評価」(自分に対する感情)の層とつながっています。
自己評価の3つの軸は下記のとおりです。
- 自己重要感——自分は価値のある重要な存在か(仲間性に対応)
- 有能感——自分は物事を自力で解決できる存在か(統制に対応)
- 好感——自分は自分のことが好きか(開放性に対応)
「人の行動の8〜9割は、この3つの次元の組み合わせで説明できる」という言葉は、参加者の目を大きく開かせるものでした。



身体と感情で自己理解を深めるアクティビティ「マイクロラボ」
ここから、より深い自己探求に入っていきます。
「頭での理解」よりもパワフルな、「体感的に気づきを得る」一連のアクティビティ、「マイクロラボ」が行われました。
まずはテキストの12の質問に10段階で回答し、自分の「仲間性・統制・開放性」の行動傾向を数値化します。
ここでは、「以前と結果が変わった」「管理職になってから統制の数値が上がっていた」といった気づきが語られました。
続いて、リラックスして目を閉じ、故郷の風景や人間関係を想起するイメージワークをおこないます。

その後のストレッチでは身体の限界点を意識しながら動き、「限界は自分の思い込みが決めている」ことを体で確かめました。

さらに、部屋を歩き回りながら3つの次元を体験するエクササイズへと進みます。
「孤独」を感じながら歩く時間、他者に「あっち行け」と主張しながら歩く時間、握手や肩を組み合う時間といった体験を通じて、感じ方が人によって大きく異なることが明らかになります。
「声が張れなかった」「肩を揺さぶるのは意外と気持ちよかった」「気まずかった」といったリアルな感想の一つひとつが、自身の傾向を捉える手がかりとなっていきました。
また、「職場でどのような自分を演じていますか?」という問いに対し、「頼りない自分」「元気な人」「理想的な上司」「反抗的な部下」など多様な役割が挙げられ、それが本来の自分と一致しているのか、無理をしているのかについて内省が深まりました。
瞑想で「重要感・有能感・好感」の部屋へ
ワークショップの後半は、3次元モデルの最も深い層である「感情・自己評価」に触れる時間です。
波多江氏のガイドで、3つの架空の部屋に入り、それぞれの状況をイメージします。
そのとき、自身にどのような感情が生まれるのかを体験していきます。
- 重要感の部屋——全員の関心と注目を一身に集めている状況
- 有能感の部屋——全員から信頼され、物事を任されている状況
- 好感の部屋——全員から大好きだと思われている状況
「重要感は恥ずかしかった」「有能感はプレッシャーで”やめてくれ”と思った」「好感の部屋は最高だった」など、各部屋での身体感覚や感情を内省し、グループで共有しました。

ここでは、人によって心地よさやプレッシャーを感じるポイントがまったく異なることが明らかになりました。
波多江氏は、得意・不得意な感情に気づき、固定観念から自由になることで、自分を有効に活用する(ユース・オブ・セルフ)ための柔軟性が広がると解説します。
ビーイング・マップを更新し、ラーニングバリューを生み出す
1日の学びを締めくくるため、参加者は朝に持ち寄ったビーイング・マップを、今日の体験を踏まえて書き加えました。

午前・午後の体験が重なったからこそ生まれる、深い自己分析が行われます。
「有能であることに価値を置き、失敗を恐れる自分に気づいた」
「安全な場を作ろうとしすぎて、かえって相手を制約しているかもしれない」
「正解は誰かの手にあると思ってしまう傾向がある」
そして最後に、今後の講座をともに最高の学びにするための「ラーニング・バリュー」を全員で討議しました。
ここでは、ポストイットに各自が大切にしたい価値観を書き出し、カテゴリー分けをしていきます。

今回合意されたのは、「愛・安心・フレンドリー」を土台に、「学びと成長」が生まれ、結果として「楽しさ・喜び」に至るというピラミッド型の価値観でした。


「チーム・エナジャイザーズ第1期」というラーニング・チームが、何を大切にして半年間を歩むかが、言葉になった瞬間でした。
講座を終えて|鎌倉の老舗でつながりを深める
16時の講座終了後は、鎌倉の歴史ある老舗「お好み焼き津久井」へ移動し、懇親会へ。

賑やかなお好み焼きを囲みながら、今日の学びや日々の現場でのリアルな話が飛び交いました。
非日常の場で、さまざまな体験と学びを共有した直後。
お互いの距離が縮まり、和やかさの中にも、充実感を感じる一人ひとりの表情がありました。

第2回参加者の気づき
講座の最後に、チェックアウト(振り返り)を行いました。

「プロセスという視点が完全に抜けていた。ミーティングの見え方が変わりそう」
「ラミネート理論は衝撃だった。あの謝罪がなければ、議論はどう展開していたんだろう」
「瞑想で感じた感情の揺れ動きが予想外だった。好感の部屋が一番気持ちよかったことに驚いた」
「身体を使った体験だから、頭だけじゃなくちゃんと腑に落ちた」
体験を通じた気づきが、参加者それぞれの中で具体的な変化として捉えられている様子が確認されました。
次回(第3回)に向けて
第2回講座から約3週間後には、オンラインの「振り返り会」が開催されます。
その場も活用しながら、「リフレクション・ラーニング(経験学習)」のサイクルを回します。
学びを現場に持ち帰り、また次回に持ち寄る「Team Energizers(チーム・エナジャイザーズ)」のサイクルが、着実に深まっています。
第3回講座のテーマは、「ポジティブ心理学から学ぶ、個々が活き活きと力を発揮しパフォーマンスが高いチームとは」。
次回のレポートも、どうぞお楽しみに。
実践型チームづくり講座”Team Energizers(チーム・エナジャイザーズ)”が気になった方へ

現在、Team Energizers(チーム・エナジャイザーズ) 第1期は進行中ですが、今後も継続的に開催を予定しています。第2期以降の募集や最新情報は、Peatixグループにてご案内していきます。
また、Team Energizersのエッセンスに気軽に触れられるオンライン勉強会も毎月開催中。参加費は550円、新規の方も大歓迎です。
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