【組織が変わる、会議をしよう⑤】自分の“正しさ”を手放そう。良い会議に必要な“6つの能力”

こんな人におすすめ
- 各部門が自説(正しさ)を主張し平行線をたどる
- 手法を整えても参加者の発言の質が変わらない
- 会議を指示待ちではなく「共に考える場」にしたい
参加者のあり方・能力が会議の質を高める
では、学習が促進される会議を実現するために、参加者は何を身につける必要があるのでしょうか。
最終回は、「良い会議を成立させるために、参加者は何を学ばなければならないのか」です。
前回までに「会議とは何か」「会議は何を生産しているのか」、また「良い会議の構造的な条件」について言及してきました。
しかし、より学習が促進される会議を実現するには、「参加者は何を学ぶ必要があるのか」が、実はとても重要な問いです。
会議研究は長らく、「ファシリテーション」「アジェンダ設計」「意思決定プロセス」を中心に発展してきました。
しかし会議の質を高めるには、手法も大事ですが、参加者のあり方や能力も重要です。
まず結論として、「学習が促進し、組織の知性が生まれる会議」を成立させる条件は、会議の構造条件と参加者の能力条件の両方が必要です。どちらかだけでは成立しません。

良い会議に必要な6つの能力
ここでは、良い会議に必要な6つの能力について解説します。
- 心理的安全性をつくる力
- 対話する力
- 問いを立てる力
- 前提を疑う力
- 意味づける力
- 多様性を活かす力
6つの能力は相互に関係しており、例えば多様性を活かすには心理的安全性や対話能力は欠かせません。
1.心理的安全性をつくる力
心理的安全性をつくる力は、会議を実施するうえで重要な能力のひとつです。
特に、「わからないと言える」「異論を言える」「失敗を共有できる」という条件をつくるリーダーの姿勢は非常に大きいものがあります。
2.対話する力
対話する力のポイントは、下記の4つです。
- 聴く
- 尊重する
- 保留する
- 発言する
特に重要なのは「保留する」です。
自分の考えを一旦脇に置いて他者を理解する能力です。
3.問いを立てる力
学習する組織はまず問いを磨きます。
会議では、答えを急ぎすぎてはいけません。
4.前提を疑う力
前提を疑う力も重要な能力のひとつです。
実行の前提となった考えや仮説を探ることは、深い議論に欠かせません。
5.意味づける力
「我々は何を見ているのか」を共有するために必要な、意味づける力も重要です。
組織は出来事の意味づけによって動き出します。
6.多様性を活かす力
多様性を活かす力も会議の質に影響します。
多くの会議では対立を避けられがちです。そこで、違いを資源として扱える能力が求められます。
会議で学ぶ「自分の正しさを手放す能力」
さらに、実践的にひとつだけ学ぶことを挙げるとすれば、それは「自分の正しさを手放す能力」です。
なぜなら、会議で起きている問題の多くは、知識不足ではなく、正しさの衝突だからです。
営業は営業の正しさを、技術は技術の正しさを、経営は経営の正しさを主張します。
しかし、組織において「知」が生まれる瞬間は、誰かが勝つ瞬間ではありません。それぞれの正しさの背後にある経験や前提が見える瞬間です。
会議の効果を高めるには、運営する技術を学ぶことは当然大切ですが、「他者とともに考え、学ぶ能力を学ぶこと」はそれ以上に重要なのです。

会議で何を学んでいますか?
最後に、みなさんへの問いです。
「あなたの会社の会議では、人々は何を学んでいるでしょうか」
「失敗を隠すこと」でしょうか、それとも「上司の意見に従うこと」でしょうか。
それとも、「問いを立て、共に考えること」なのでしょうか。
会議で決まった内容以上に、会議で学ばれた行動様式が組織の未来を決めます。
会議を見れば、その会社の未来が見える。会議とは、組織を映し出す鏡だからです。
会議とは、単に未来を決める場ではありません。
未来に対する考え方を学ぶ場です。