心理的安全②|マネジメント・パラダイムを変える【組織開発】

学びのポイント
- 効率を高めるだけでは、組織の学習と進化は生まれない
- 知識集約型組織では、実験・検証・創意工夫が成果を左右する
- 「逸脱を管理する」マネジメントから、「学習し進化する」マネジメントへ転換する
エドモンドソンは、知識集約型組織の代表格ともいえる病院組織を20年近く研究し、知識経済における優れた業務遂行とはどのようなものかを提唱しています。
それは、高い品質基準を遵守しつつ、迅速に学習方法を見つけ出すことです。
エドモンドソンは、そのような優れた組織を「学習志向の組織」と呼んでいます。
目指すのは「学習志向の組織」

学習志向の組織では、業務プロセスを継続的に進化させることが重視されます。
そのためには、日常業務に次の4つのアプローチを組み込むことが求められます。
- 入手しうる最善の知識を活用する
ただし、その知識は絶えず変化するものだと認識する - 必要なときに、必要な場所で情報を入手できるようにする
- 業務プロセスに関するデータを日常的に収集する
- 改善策を見つけるため、収集したデータを詳しく検証する
これら4つのアプローチが組織全体の学習インフラとなり、継続的な学習が日常業務の一部として組み込まれていきます。
そして、このような学習志向の組織をつくるうえで欠かせないのが「心理的安全」なのです。
なぜマネジメント・パラダイムを変える必要があるのか
「業務をできるだけ効率的に処理する」という考え方を土台としたマネジメントにおいて、監督者の主な役割は、業務上の変動を管理することでした。
言い換えれば、基準からの「逸脱」を悪と捉えるパラダイムです。
こうした環境では、仕事そのものを面白いと感じたり、自然とモチベーションが湧いたりすることは期待しにくくなります。
そこで経営者たちは、「業務量に連動した給与」というアメと、「期待に届かなければ叱責や解雇につながる」というムチを組み合わせた労務管理を採用してきました。
「アメとムチ」のマネジメントが生む4つの問題

エドモンドソンによれば、アメとムチを中心としたマネジメントは、次のような悪影響を生み出します。
- 上司に意見や懸念を伝えることを避け、重要な情報が上層部に届かなくなる
- 効率を重視しすぎることで、試行錯誤のための時間が失われる
- 優秀な個人やチームへの褒賞を強めすぎることで、社内競争が不健全になる
- 自分たちのやり方が正しいと思い込み、外部環境の変化に鈍感になる
アメとムチのマネジメントは、知識集約型の組織が増える現代社会では、もはや十分に機能しにくくなっています。
だからこそ、効率だけを追求するのではなく、学習や試行錯誤を促すマネジメントへの転換が求められます。
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