組織開発の実践⑤|小さく始めて大きく育てる

組織開発コラムアイキャッチ5

学びのポイント

  • 組織開発はイベントではなく「持続的な学習の仕組み」である。
  • チーム単位で始める組織開発は最も現実的で効果が高い。
  • ヒーローを作らず“みんなで変える”ことが依存を防ぎ、適応力を高める。

組織開発は、必ずしもイベント型の大掛かりな施策ではありません。むしろ、そういったイベント型は少ないでしょう。

組織開発に取り組む必要がある場合とは、「短期集中型の組織変革」で、一気に組織の体質転換を要する場合です。

「イベント型・組織開発」は、瀕死の重傷期にある組織に対して実施するものであり、その実施はリストラなどを伴う「血が出る変革」です。

組織開発といっても、「全社一斉に」というのはめったにあるものではないのです。

大切なことは、組織が持続的に成長する能力を開発することです。

では、その核となる単位は何か?――それがチームです。

組織開発の実践は、チーム単位での実践がおすすめです。

まずは「face to face」でチームに変化を

どのような組織も「組織が学習する」という事はありません。学習するのは「個人」です。

そして、チームの人間関係が良好であれば、個人が学んだことが共有され、チーム全体の成長につながります。

個人はチームの中の人間関係にとても影響を受ける存在ですから、チームの中に「学習という規範」ができれば、チームの他のメンバーと共に学ぼうとします。

組織に何らかの変化をもたらそうとする場合、まずは「face to face」で仕事をしているチームに何らかの変化をもたらします。

そのやり方を他のチームが学習し、定着させていく方法が現実的です。

組織開発をチーム単位で実践する|現場主義の組織開発

チームは、経営チーム・プロジェクトチーム・職場単位の恒常的チームなど、その機能や役割、活動も異なります。

大切なことは、職場単位でその当事者が自分たち自身で、変化のマネジメントを実践することです。

「組織としての価値観や考え方は統一し、実践は個別で」というのが組織開発の成功に欠かせません。

これが現場主義の組織開発です。

組織的な学習は、人と人との相互作用の中でおこなわれる

P.センゲの「学習する組織」から引用するまでもなく、組織的な学習は「人と人との相互作用」の中で行われます。「私だけが知っている」では、組織としての知恵にならないのです。

日本は共同体文化が強い社会です。

長く同質のメンバーでチームを組み、そこでは以心伝心に代表されるように、考え方やものの見方にそれほど差がないことを前提としたコミュニケーションがとられてきました。

日本人は、「口に出して言う」「聞く」「確認する」というやり取りが苦手なのかもしれません。

このような性質は、ある意味チーム学習にとってはプラスの面がありました。「言わなくても分かる」という、以心伝心の関係ですね。

チームを「単なる人の集まり」にしないために

ところが、組織で多様性を取り入れていこうとするなら、「分かってるね」で済ませてしまうと、チームという重要な単位が「単なる人の集まり」となり、学習という機能がすっぽりと欠落するという事態になります。

そして管理者は、自分の思うように成果が出ないと「もっと頑張って」と、発破をかけてしまいかねません。

これではいつまでたってもチームの中に学習する規範が生まれないのです。

チームは働き方の規範を共有する単位であり、個々人が持っているノウハウや経験をお互いに学習する単位でもあります。

私たちは今一度、チームという単位が持つ機能や特性を効果的に引き出すマネジメントを学習し直す必要があります。

組織開発の実践は、なにも組織全体で実施するのではなく、チーム単位で始めて、それを徐々に広げていくことも「あり」なのです。

「みんな」が強い組織は「みんな」で変わる

組織に求められるのは、「みんなで実施する意識」です。

つまり、特定のヒーロー・ヒロインを決めません。常に、みんなで話して、みんなで変える状況をつくるのです。

このやり方は「問題を抱えている当事者たちが何をするかを決め、リーダーはそのプロセスを管理する」という、組織開発が成功する条件にピッタリです。逆に言えば、みんながヒーロー・ヒロインです。

特定のヒーローをつくると、「他の人がヒーローの考えとやり方に依存する」というリスクに繋がります。

ヒーローの考えとやり方に依存した結果、ヒーローを中心とした「新しい依存の和」が生まれるだけで、「多様性の中で組織の適応能力を生み出す」ということが期待できなくなります。

組織開発は「チーム」から始めよう

チームによる問題解決ミーティングは、時々他部門の人にも入ってもらい、異なる考えと経験を持った人たちから意見をもらいましょう。

そこで、「いろいろな意見が出ていいんだ」という新しい規範を生み出すと、「学習能力」が飛躍的に高まります。

チームから始める組織開発を、みなさんの組織でもやってみてはいかがでしょうか。

強い組織は、強い個人がつくるのではありません。学び合うチームがつくります。そして、変化はチームから始まります。

同じ課題を、3年後も繰り返さないために

最後に、あなたの会社はどの段階でしょうか。

• 変わらない理由が分からない
• 同じ問題が繰り返し起きる
• 研修が定着しない
• 管理職のリーダーシップが発揮されない
• どこから始めるか迷っている

今のままでも会社は回ります。しかし、3年後も同じ問題を話している可能性があります。

もし一つでも当てはまるなら、組織開発の導入を考えてみませんか。

株式会社Being and Relationからのメッセージ

ここまで5回にわたり、組織開発の考え方と実践の進め方を紹介してきました。

しかし、実際の組織では、「どこから始めるべきか」は会社によって異なります。私たちは、組織を診断するだけではありません。

経営課題と組織の状態を読み解き、その会社に合った変化のシナリオを設計し、現場に定着するまで伴走します。

組織開発に「正解のプログラム」はありません。

だからこそ、一社一社の現状を丁寧に読み解き、その会社に合った第一歩を共に設計し実施することを大切にしています。

もし、自社でも一歩を踏み出したいとお考えでしたら、お気軽にご相談ください。

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