【組織が変わる、会議をしよう②】会議は組織の思考と行動様式をつくっている

こんな人におすすめ
- 「異論はないか?」と聞いても意見が出ない
- 悪い報告がいつも後手後手で上がってくる
- 特定のメンバーしか話さず形骸化している
会議は組織の文化を再生産する
会議は、そもそも何を生み出しているのでしょうか。
会議はもちろん、さまざまな問題解決の場であり、組織の方向性を定める場です。
一方で、会議は組織文化(ものの見方や考え方)の影響を受けるだけでなく、その組織の文化を日々再生産しています。
会議の議題(コンテント)としては、たとえば「事業戦略検討」「商品開発」「日常の問題解決」をはじめ、千差万別の議題があります。
人によって認識が異なる
しかし、同じ議題であっても、人々は議題に対して異なる見方をするものです。
たとえば業績検討会議などで、Aさんは「市場が変わった」と言い、Bさんは「商品力の問題だ」と言うこともあるでしょう。Cさんは「競争構造が変わった」と感じているかもしれません。
つまり、人によって世界の認識の仕方が異なることが往々にしてあるのです。
会議とは、それぞれの認識をぶつけ合いながら、「我々は何を見ているのか」を共同で形成する作業過程(プロセス)であると言えます。
会議では「どのような行動様式がつくられているか」を見る
会議で本当に重要なのは、「何が決まったか」だけではなく、その会議を通じてどのような思考や行動様式が組織に根づいていくかです。
会議をこのように捉え直すと面白い逆説が生まれます。
「良い会議ほど、その場では結論が出ないことがある」
たとえば経営会議で、ある役員が「そもそも顧客の定義を間違えているのではないか」と言い出したとします。
その瞬間、従来思考の枠のままでは議論ができず、結論は遠のきます。
しかし組織は新しい見方を獲得することになります。
そのため、私たちが注意すべきは、「この会議で何が話し合われているか、何が決まったか」だけではなく、「この会議を通じて、どのような行動様式がつくられているか」という点です。
その視点に立つと、議題・参加者・発言順・問いの立て方・意思決定方法までが、単なる運営技術ではなく「組織づくり」そのものとして見えてきます。
会議の生産性を高めるには、何が話されるか(コンテント)は重要ですが、議題がどのように語られるか(プロセス)ということが、実行の質だけではなく、組織のあり方を規定してしまうことを理解する必要があります。
参加者は起きていること(プロセス)から学ぶ
<目標達成会議>を例に考えてみましょう。
議題(コンテント)は、「売上進捗」「顧客数」「利益率」「行動計画」などです。
しかし、会議で起きること(プロセス)には、たとえば次のようなものがあります。
- 誰が最初に発言するのか
- 異論は許されるのか
- 問題は共有されるのか
- 失敗は責められるのか
- 上司は答えを持っている前提なのか
経営者は往々にして議題(コンテント)を見ます。しかし参加者は起きていること(プロセス)から学んでいます。
ここで、組織に大きな違いが生まれます。
たとえば、売上進捗会議を考えてみましょう。
A社では、「なぜ未達なのだ?」という問いが繰り返されたとします。
すると参加者は、「リスクは隠す」「悪い情報は遅らせる」「失敗は言わない」といった行動様式を学んでいくかもしれません。
一方、B社では、「何が起きていると理解している?」「何を試した?」「そこから何を学んだ?」という問いが繰り返されます。
すると参加者は、「仮説を立てる」「挑戦する」「学びを共有する」という行動様式を身につけていきます。
両社とも、会議の議題(コンテント)は「売上進捗会議」で同じなのです。
つまり、組織の思考と行動様式をつくっているのは、コンテントよりもプロセスである可能性が高いのです。

組織の思考と行動様式は会議によって形成される
組織の思考と行動様式は、繰り返される会議によって形成されます。
これは会議の目的ではなく、会議の積み重ねによって生まれる現象です。
経営者が意識しようがしまいが、会議は毎回、「何が正しいのか」「誰が話してよいのか」「異論は歓迎されるのか」「責任はどう扱われるのか」を参加者に教えています。
経営者や組織開発の実践者は、この作用を理解したうえで、会議を意図的に設計していくことが求められるのです。
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